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~自己紹介・PROFILE~

弥氏 良寬(YOSHIHIRO YAUJI)        
1983年1月27日 福井県越前市 生まれ        
越前打刃物伝統工芸士 

和包丁ブランド銘
「寬-Kutsurogi-」

【経歴】
武生工業高校 電子機械科
京都職業能力開発短期大学校 生産技術科
2002年 北岡刃物製作所 入社
2018年 越前打刃物・伝統工芸士となる
2020年 越前たたら研究会「鍛人」代表
2021年4月 独立 「寬-Kutsurogi-」スタート

【概要】
幼少の頃より祖父にものづくりを教わり、自分の手でひとつのものを作り上げる楽しさを覚え創作に没頭する。さらに、ものづくりに欠かせない機械・技術について興味が高まり、高校・大学で電子機械と生産技術を学ぶ。
学生時代の経験をもとに、自分の思いを残せるものを作っていきたいと強く思うようになり、地元である福井県越前市にて700年の歴史をもつ「伝統工芸・越前打刃物」を学ぶため、タケフナイフビレッジ内北岡刃物製作所に入社した。和包丁をメインに親方の下で学び、2018年に伝統工芸士となる。
越前たたら研究会では代表を務め、刃物にまつわる技術を後世に継承することを目的として、たたら製鉄の技術を研究する活動を行っている。自分に合う技術を取りいれていくための研究や、後継者の育成・指導にも従事している。
2021年4月に独立し、伝統工芸を通じて歴史・文化の「学び」、支援・互助の「思いやり」、生活の「寛ぎ」のワンアクセントになるようにとの思いを込め「寬-Kutsurogi-」をスタートする。

【学び】
越前打刃物の最大の特徴である日本古来の火づくり鍛造技術・手仕上げを学ぶ中で、先人達が700年の歴史を持つ伝統技術を継承してきたことの偉大さを感じました。越前たたら研究会「鍛人」では砂鉄集めからはじめ、炉の設計・刀剣づくりまでを行うことで、ものづくりを一から学んでいます。
また歴史を紐解くことで、刃物は包丁や鎌、鋏など人々の生活に直接関わるものから、職人のための道具としても使われていることをあらためて学び、ものづくりの原点である刃物作りに誇りを持つとともに、伝統工芸の魅力をより広く伝えていきたいと感じるようになりました。
共同工房を備えるナイフビレッジ内でも、親方達から多種多様な技術や思いを学ぶことにより「心・技・体」を鍛える事が必要だと教わりました。伝統を守りつつ、技術・製法を進化させていくことに対しても日々勉強しています。
また、ナイフビレッジ内で行われている体験教室を通じて、自分の手でひとつのものを完成させたときの喜び、一から作り上げることで生まれるたくさんの笑顔に触れ、教え伝えていくことの大切さを感じています。

【思い】
作り手としての道具の完成とは、使い手が手にとって使い始め、馴染んだときこそが完成だと考えています。たったひとつの「ものづくり」でも、作り手の気持ちを込めることで思いが宿り、末永く残っていく「本物の伝統」が生まれるのではないかと思います。

しかし、素晴らしい日本の伝統工芸を継承していくには、後継者不足・育成システムに対する課題にも目を向けなければいけません。学校では教わらない「学びの場所づくり」、体験などを通した「寛ぎの場所づくり」をしながら、より身近に伝統工芸に触れる環境づくりを行っていきたいと考えています。また、越前打刃物の技術を活かし、打刃物だけでなく使い手が必要なものを作り届けていくことも含めて、近年の自然災害による被災地に対する支援活動も継続して行っていきます。

作り手と使い手の思いがひとつになることで、優しい世界をつくっていきたいと思います。

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