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「皆にとっての“お母さん”になりたい」interview📝

今回は、タイに単身乗り込み、タイのシリエスポーツクラブで働く桝井かほさん(以下かほさん)に、タイに乗り込んだその訳と、これからの展望について、インタビューをしてみました。


かほさんは奈良県出身の22歳。龍谷大学を中退し、タイへの就職を決意。

僕が、かほさんを知ったのはTwitter。

「私は大学を中退し、タイのシリエスポーツクラブに就職しました。シラチャ・バンコクにてサッカースクールを運営しながら、プロクラブを目指します」

という内容だった。かなり拡散されていて、僕のTwitterにも回ってきたのだ。

男女を差別する訳ではないが、女性が単身タイに乗り込んで、アマチュアサッカークラブに就職した。という事実が圧倒的に新鮮で、サプライズだった。

そこから、ひそかに情報を追わせて頂きながら、タイのサッカー事情等についても意見をお聞きする機会にも恵まれ、今回、このような記事を書かせて頂くことになった。

そもそも、何故サッカーを好きになったのか。

「もともとは、小学生の頃、金管楽器・マーチングをやっていて、サッカーよりも圧倒的に音楽が好きでした。ですが、高校の頃の友達がサッカーをやっていて、高校サッカーを観に行ったり、テレビでの高校選手権を通してサッカーを好きになりました」
「高校一年生の頃、同じ高校サッカー好きの友達と出会い、その当時ブームになった“セレ女”として、サッカーを楽しむようになりました。しっかりとブームに乗っかりました」

サッカー業界への足の踏み入れ方が、女性らしく、たとえサッカーをやっていなくても、サッカーを好きになる事ができる。ということを示してくれている。

その頃からかほさんは、サッカー業界での仕事に興味を持ち始めた。

では、どのようにして、タイのサッカークラブで働くという、レアジョブを手に入れたのか。

「もともとは、日本の都市部ではなく地方のクラブで働くことに興味がありました。又、地域リーグや
JFLから本気でプロを目指しているチームで働くのが夢でした。離島でもいいと言えるくらい小さな人口の少ない街で、街中の人の想いが集まるクラブを作りたいと思っていました」
「私は田舎育ちで、祖父母の住む地域は限界集落ともいえるような田舎でした。しかし私はその街にとても魅力を感じていて、地方の魅力を人に伝えたり、その地域に人が集まるようなコミュニティを作りたいと思っていました」
「そして、大学生の頃、Jクラブでインターンをさせて頂く事になり、Jクラブでインターンを経験したという事実を活かし、他クラブでインターンをされている方や、他のサッカークラブで働かれている方々と知り合う事が出来ました。色々な話を聞いていく中で、タイのプロを目指すアマチュアクラブで働いてみないか?という誘いを受ける事に。その後、代表を紹介していただき、タイに行く事を決めました」

全てが準備されている環境を好まず、ある夢や目標に対して全力で走っていけるような、ある意味マイナスからスタート出来るような環境を望んでいる。

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自ら行動を起こす事によって、人やチャンスが集まり、その人やチャンスを自分のモノにした。

また、これからサッカー業界で仕事がしたい。海外に出てみたい。という人達にとっては、非常に参考になるのではないか。そこには信頼と忠実性が必要だとは思うが。

では、タイでは実際にどのような業務を行っているのか、聞いてみた。

「プロを目指すアマチュアチームと、タイ人と日本人の子供たちのスクールを運営しながら、エージェント事業も行っています」

幅広い。

「プロを目指すチームなので、私は歩く広告塔になりたいな。と意識して生活しています。クラブの事を多くの人達に知ってもらう事が私の役目だと思い、とにかく人に会いました」
「広報営業部ですが、広報といっても会員内でのパンフレット制作や、配信が主な仕事。スポンサー営業に関しては、まず人と会いまくる事を意識し、繋がりを増やすという感じです。雑務に追われる事も、もちろんあります」

もともと仕事の形があるところに行き、全てを一から全て教えてもらいながら覚える。という事は一切無く、すべての仕事をゼロから自分で考え、試行錯誤しながら作っているのだろう。

ここでも、全てが与えられた、ぬるま湯に浸かるのではなく、全てを自らの手で試行錯誤し、答えを手に入れる。そのようなスタンスを貫いている。

決して簡単な事は無かっただろう。

そこで、タイでのチャレンジを通して、自分自身がどのように変化していったのか聞いてみた。

「タイでのチャレンジを通して、私は今まで、人に大切にされ過ぎていたし、助けられ過ぎてきたと実感しました。上手く物事が進んでいた事のほとんどが、他の誰かが上手く進むように、お膳立てしてくれていたのだな。私は1人では何もできないのだな。と、痛感する日々でした」
「また、私は人に囲まれながら生きていたんだなという事にも気付く事が出来ました。タイでは心から孤独を感じ、寂しく辛い日々もありました。しかし、それは間違っていて、日本にいた時に、私は1人じゃないんだと思わせてくれる人々がいて、支えてくれる人がたくさんいたという事でした。この気付きがキッカケで、身近な人への感謝が深まり、とにかく手の届く人の役に立てる人間になろう。身近な人を幸せに出来る人になろうと強く思いました。これが私にとっての変化です」

気付きを得るという事は簡単な事ではない。気付きを得られるチャンスは皆に平等にあるハズなのだが、その文字通り、気が付くか気が付かないかは、本人の意識と行動次第なのだ。

困難なチャレンジを通して、周囲の人々への感謝が深くなり、幸せというモノは、外にあるのではなく、身近な所に。自分自身の中にある。という最大の気付きを得たのではないだろうか。

これも日本ではなかなか経験しがたい経験だと僕は思う。サッカーはあくまでも一つのツールに過ぎないが、そのサッカーを通して、多くの人々や多くの困難と向き合い、自分自身と向き合い、多くの気付きを得る。

プレイヤーではないが、誰よりも“サッカーと向き合っている”

逆にチャレンジした事によって、失ったモノはないのか?

「私は、チャレンジなんていう大それたことではなくて、ただ、思いのままに動いているだけです。私が大切だと思うのは、自分の心が燃えるような事に出来ない言い訳を作らない事。何か一つやれる理由があるなら、やりたい事に突き進む」
「逆に、行き詰まった時には、方向転換する事も大いにアリだと。私はストイックではない方なので、自分の軸さえあれば、チャレンジや失敗、方向転換を繰り返す人生でもいいのかなと思います」
「何かを得ようとしたり、環境を変えたい時、どうしてもやりたい事がある時、捨てなきゃいけない事も出てきますよね。その時は、その代償を払ってもいいと思えるくらい心がその行動を求めているか。を考えますし、最も大事にします」

やってみて、後悔し、後戻りする事も悪い事ではない。やってみないと分からない事もある。行動しない事が何よりリスクだという考え方だ。

多種多様な経験をするかほさんは今後、どんな事がしたいのか。

「いつかは本を書いてみたいです。サッカー選手の自叙伝、私の自叙伝を書きたいです」
「あとは、講演会もしたいですね。自分の失敗や、自分が見てきた人の失敗を伝えて、自分より下の世代の子たちにもっとレベルの高い失敗ができるようにしてあげたい。又、サッカー選手に対しては、人に応援される振る舞いをして、人を味方につける事が、自分の力になる。ということも伝えたいと思っています」
「お金を生み出せる考え方も身につけたい。お金を理由に夢を諦める人にたくさん出会ってきたので、誰でも強みをいかしながら、お金を生み出すことができるという事を証明したい。今は勉強中ですが」
「あとは、とにかくたくさんJリーグの試合を観たいです。その過程で、いろんな地域に行ったり、“街×サッカー”に関する発信もしていきたい。」
「文章を書くのが好きなので、選手にインタビューをしてみたいです。今、2人の選手にオファーしています」

やりたい事を聞いたのは良いものの、やりたい事の量が僕の予想を遥かに越えた。やりたい事をこのように、ズバズバと口に出来る人はなかなかいない。

かほさんは、常に先頭に立って、チャレンジしているからこそ、他の人達が得る事の出来ないような気付きを得ている。だからこそ、そんな自分の気付き達を皆に伝え、共有したい。その想いが人一倍強いが故に、やりたい事も枠に収まり切らないのだろう。

最後に、かほさんの“夢”を聞いてみた。

「わたしの夢は“お母さん”になることです。これは、自分の子供が欲しいという意味ではなく(自分の子供もとてつもなくほしいのですが)、自分と接する全ての人にとっての、お母さんのような存在になりたいという事です」
「無償の愛を与えられる。温かさを感じる。背中を押されたり、励まされる。安心する。頼りになる。心地いい。居心地がいい。ホッとする。自分がタイで辛い時に、このように思わしてくれる人々が居ました。これからは自分もそんなように思わせられるような人になりたい。そんな“お母さん”になりたい」

自分が辛い経験やしんどい想いをしたからこそ、“お母さんになりたい”と、行動し続ける。

「タイに行ってからは、孤独を感じ、母のような温かさを自分自身が欲するようになりました。必要性を感じた事で余計に、“お母さん”のような存在でありたいなと感じるようになりました」

ビジネス上では、裏切られたり、嘘を付かれたりする事が有り得るし、サッカー選手は日々ライバル達としのぎを削りあっている。

サッカー選手にとってのチームメイトは仲間であるようで、仲間ではない。皆がそれぞれ個人事業主として、自分自身の人生をかけ、仲間を蹴落としたり、仲間から蹴落とされる事だってある。

サッカー選手とは孤独業務なのだ。

そんな、孤独業務のなか、無償の愛を注いでくれ、平等に居場所を与えてくれるような“お母さん”がいれば、それほど選手にとって、助けになる事はない。

今、かほさんは、そんな“お母さん”になる為の貯蓄を貯めている。これからも、チャレンジし、気付きを得続けるかほさんに注目したい。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

かほさんは、Twitter等を通して、色んな人達とのコミュニケーションを図っています。この記事を通し、かほさんのキャリアや生き方に興味を持ったり、相談してみたい!というご要望があれば、本人の承諾を得て、ご紹介しますので、お気軽にお伝えください。

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